キーエンス元社長も参画!SHIFT(シフト)の「波乱万丈」起業物語

売上1兆円を目指し躍進を続けるSHIFT。キーエンス元社長の佐々木氏(※)や日本交通元社長の知識氏社外取締役として参画し、ここ数年は年間1000名を凌ぐ人数を採用、毎年約150%を超える売上高成長率を記録する(※)など、急激に成長を続けています。(※)2020年11月25日以降副社長に就任

このように華々しく躍進するSHIFTですが、起業当初は順風満帆とはいえるものではありませんでした。ここではSHIFTを立ち上げた丹下社長の起業ストーリーを追い、SHIFTの成長の秘訣を探ります。

製造系ベンチャー企業に飛び込む

丹下氏は大学院卒業後、製造業向けコンサルティング会社の株式会社インクスに入社しました。大企業ではなく当時社員数60名ほどのベンチャー企業を選んだ理由は、「目の前の安定ではなく将来の成功に賭けた」からだと、丹下氏は当時を振り返ります。

インクスではコンサル部門のナンバー2の下で働く機会を自ら創り出し、上司のコンサルタント30人のスケジュール管理、プレゼンの代行などを経験。後の起業の土台となるビジネスセンスを磨いていきました。

また業務を通じ、独自のメソッドでありとあらゆる製造業の工程プロセスを短縮するための仕組みを開発。それは2ヶ月かかっていた工程を2日に短縮でき、さらに誰にでも使えて再現性も高いという革新的な方法でした。そしてこのサービスが大好評となったのです。

その仕組みを開発した2002年、メンバーはたった3人であったそうですが、その後140人の部隊に成長、年間50億円を稼ぐ大きな事業の柱となりました。

そして2004年、丹下氏はインクスを退職します。当時は29歳。子供のころに描いた「社長になる」という夢を叶えるためでした。

2005年に起業。試行錯誤を繰り返し、苦労を重ねた5年間。

50億円のビジネスを創り上げた成功体験を元に、株式会社SHIFTを創業した丹下社長ですが、そのまま簡単に成功を収めたわけではありません。むしろ起業当初は苦労の連続でした。

起業当初は前職の経験やノウハウを活かし、コンサルティング事業をおこなう傍ら、様々な事業を手掛けました。例えば、携帯のGPS機能を使ったSNS事業やポルシェのレンタルサービス、起業家を仮想通貨で応援するサービスなど。2年間で多くのサービスを立ち上げ、多くのビジネスコンテストに応募し、優勝を重ねていました。

しかし、立ち上げるサービスをビジネスとして確立するのは難しく、苦労が続きます。たとえば、位置情報と連動した広告を提供する事業では、月の売上はわずか450円程度。

テスト部門のコンサルティングから「圧倒的ブルーオーシャン」に出会う

このような手痛い失敗を受け、事業を整理し得意分野であるBtoB事業への注力に方向性を転換。この「選択と集中」がSHIFTの躍進のきっかけでした。

当時丹下社長は大手ネット企業のコンサルティング業務を請け負っていたのですが、その際あることに気づきました。それは、顧客企業のテスト部門が全く効率化されておらず、ほぼ人力で運用していることでした。「これまで自身が経験してきた製造業の効率化ノウハウを活用すれば、圧倒的な勝機がある……」そう考えたのです。

そこからはソフトウエアの第三者検証をメイン事業に据え、効率的なテスト検証を実現する「第三者検証サービス」の提供を開始します。

モノづくりの効率化手法を活かし、「属人化した熟練ノウハウの形式知化」「オペレーションの徹底的な最適化」をソフトウェアテストに関する業務に応用し、テストすべき観点を標準化、工程のプロセス改善を実施。その他、CAT(Computer Aided Test)というソフトウェアテスト管理ツールや未経験者がIT業界に参画する機会を創るためのテスト適正をはかるCAT検定の開発など、ありとあらゆるテスト工程の改革を推進したのです。

このような改革を続けた結果、SHIFTは圧倒的にコストパフォーマンスの高いソフトウェアテストを実現しています。SHIFTの調査によると、開発者自身が1つの不具合を見つけるのに1,935円のコストがかかります。一方SHIFTが検証を行う場合、1つの不具合を見つけるのにかかるコストは941円。実に51.3%ものコストダウンを実現しました。

自社で実施するより正確で高精度のテスト結果を提供できるかつコストも大幅に抑えられるそんな圧倒的な仕組みを構築したSHIFTですが、そのような現状に満足せず、さらなる新規事業開発を進めていきました。

たとえばリリース前のソーシャルゲームについて、ユーザーから改善アイデアを募る開発サポートサービス「みんテス」など、ソフトウェアのテスト市場において次々と新規サービスをリリースしていきました。

創業当初と異なり、市場を絞りつつ多角的にサービスを展開することで、ブルーオーシャンであったテスト市場を瞬く間に席巻していったのです。以上、ここまでがSHIFTの創業期の物語です。

急成長の秘訣は「人」

苦労の続いた創業当初からソフトウェアテスト市場というブルーオーシャンに出会い、モノづくりのノウハウ転用と多様なサービス提供で急成長を遂げたSHIFT。

その急成長の秘訣には、属人化させないノウハウももちろん大きな役割を果たしていますが、SHIFTの本当の強みは「人材力」にあります。属人的な職人技の平準化や業務の効率化を行う上で、その仕組みや改善案を考える優秀な人材が必要なのです。SHIFTは優秀な人材を惹きつけ、能力を引き出す力に長けています。

では、SHIFTにはなぜ優秀な人材が集まるのでしょうか。それは今回紹介した、丹下社長の原体験が大きく影響しています。「社員を守る」「人を大事にする」このような原体験が、人を大切にし、育て、仕組みで解決するというSHIFTの風土を創っているのです。

また、丹下社長は「積極的に学ぶ姿勢を持っていること」も人材を惹きつける大きな要素であると考えています。たとえばキーエンス元社長の佐々木道夫氏が社SHIFTに参画した理由を、次のように語っています。

「私がまっすぐ夢に向かっているのを見て「今まで会ったビジネスマンで丹下さんが一番面白い」とまでおっしゃり、参画してくださいました。そして佐々木さんがくれたアドバイス「素直に学ぶ姿勢」を持っているからこそ、能動的に関わってくださっているのだと思います。」【出典】「遠心力」と「求心力」を最大化する“ONE SHIFT”の戦略 SHIFT 丹下大社長(第4話) | DIMENSION NOTE(ディメンションノート)

相手から積極的に学ぶ姿勢は、SHIFTの風土として浸透しています。これにより社員がお互いに高めあい、事業を成長させ、自分自身も成長する好循環が生まれているのです。

幼少時代からすべてが順風満帆だったわけではありません。起業後もさまざまな苦難も経験しています。だからこそ、いま、があるのです。起業物語はまだまだこの先も続きます。

こんな丹下社長が率いるSHIFTにぜひ、参加してみてはいかがでしょうか?